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GUIDE 05

営業代行の契約・法令の注意点

営業代行は、委託する側にも契約の設計と法令の確認が求められます。ここでは依頼前に押さえたい論点を、法令と公的資料へのリンクつきで整理しました。個別の事案は専門家に確認してください。

1. 業務委託と労働者派遣の区別

営業代行の多くは、民法の請負・準委任にあたる業務委託契約です。委託先の担当者に対して、委託元が直接に業務の指揮命令をすると、実態が労働者派遣とみなされるおそれがあります(いわゆる偽装請負)。担当者が自社に常駐する形では特に注意が必要で、業務の指示は委託先の責任者を通して行う、成果物や業務の範囲を契約書で定める、といった整理が求められます。区分の考え方は厚生労働省の労働者派遣事業の案内に示されています。

2. 成果の定義とキャンセル

成果報酬型では、「アポ 1 件」「受注 1 件」の定義が費用を左右します。日時の決まった商談か、担当者レベルで良いか、商談当日のキャンセルや先方都合の延期をどう扱うか、無効アポの返金・再取得の条件を、契約書で明記しておくことが必要です。固定報酬型でも、月額に含まれる稼働(担当者数・架電数)と報告の頻度を定めておくと、認識の差を減らせます。

3. 架電リストと個人情報

法人の代表番号や部署の情報は、担当者名を含むと個人情報にあたることがあります。自社が保有する名刺や問い合わせ情報を委託先に渡す場合、個人情報保護法上は委託にあたり、委託先の監督が求められます。委託先がリストを作成する場合も、取得の方法(公開情報か、購入したリストか)と、利用目的の範囲を確認してください。電話の録音を行うときの扱いもあわせて取り決めます。

4. 電話勧誘と特定商取引法

特定商取引法の電話勧誘販売の規制は消費者向けの取引を対象とし、営業のために、または営業として締結する契約は適用除外とされています(同法第 26 条第 1 項第 1 号)。法人向けの営業代行は多くの場合この除外にあたりますが、相手が個人事業主の場合や、商材が事業用と言い切れない場合は適用の可能性があります。また、法律の適用の有無にかかわらず、相手が拒んだ後の再勧誘や、事業者名・目的を告げない架電は、委託元の評判に直結します。委託先の架電の方針(拒否先の管理、名乗り方)を確認してください。

5. 下請法(取引の適正化)

委託元の資本金が一定額を超え、委託先が一定額以下の場合、役務提供委託として下請法の対象になることがあります。対象になると、発注書面の交付、支払期日(受領後 60 日以内)、減額・支払遅延の禁止などが委託元の義務となります。資本金の区分と適用範囲は公正取引委員会の案内で確認してください(法律は 2026 年の改正で名称と内容が変わっているため、最新の条文を参照してください)。

6. 秘密保持と競業

商材の価格表や顧客情報を渡すため、秘密保持契約(NDA)は委託契約と同時に結びます。委託先が競合他社の営業も同時に請け負うことがあるため、競業の制限を設けるか、同じ業界での同時受託の扱いを確認しておきます。契約終了後のリスト・ログの返還・削除も定めます。

7. 契約書で確認する項目(まとめ)

  • 業務の範囲と成果の定義(アポの条件、無効の扱い)
  • 報酬の計算方法、支払時期、別料金の項目
  • 契約期間、更新、解約の予告期間、途中解約の費用
  • 指揮命令の方法(委託先の責任者を通す)、担当者の交代
  • 個人情報・秘密情報の取り扱い、録音、再委託の可否
  • 報告の内容と頻度、成果物(ログ・リスト)の帰属と返還

注意法令の適用は個別の事情で異なります。このページは一般的な整理で、法律上の助言ではありません。契約の前に弁護士など専門家にご相談ください。

各社の公式サイト・法令・公的資料の内容を一般向けに整理したものです。料金・条件は改定されることがあり、契約の可否や法令の適用は個別の事情で異なります。依頼の前に各社の見積と契約書で確認してください。確認日: 2026-10-20。

出典・参考